【資料写真】呉座勇一・日文研助教(2020年11月、京都市中京区)

【資料写真】呉座勇一・日文研助教(2020年11月、京都市中京区)

 会員制交流サイト(SNS)上で不適切な発言を繰り返したことで無期雇用資格を取り消されたのは不当だとして、国際日本文化研究センター(京都市西京区)の助教だった呉座勇一氏が29日までに、同センターを運営する人間文化研究機構(東京)を相手取り、無期雇用の地位にあることを確認する訴えを京都地裁に起こした。


 呉座氏は、ベストセラー「応仁の乱」などで知られる若手研究者。公開範囲を限定した個人のツイッターアカウントで、特定の女性研究者をおとしめるような投稿を長期にわたって続けていたことが3月に発覚。9月に同機構から停職1カ月の懲戒処分を受け、現在は非常勤の機関研究員となっている。


 訴状によると、呉座氏は2016年、任期付きの教員として採用され、今年10月から任期のない定年制の資格を与えて助教から准教授に昇格する決定を1月12日付で受けた。しかし、SNS上での不適切発言を理由に8月、再審査の結果として資格の付与を取り消す通知を受けた。


 呉座氏側は、資格の付与は正社員としての採用決定に相当し、取り消しは実質的な解雇に当たると主張。SNS上での不適切発言は、懲戒解雇の理由としては程度が軽いと訴える。また、被告側の内規に存在しない「再審査」が行われただけで懲戒審査委員会は組織されておらず、解雇権の乱用だとしている。


 人間文化研究機構は呉座氏について「9月末で助教の任期は切れ、10月から機関研究員となっているが、それは処分ではない」とし、訴訟については「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。