京都産業大学

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 細胞内の小器官、小胞体の中にある特定の酵素を欠くことで、細胞老化が引き起こされる仕組みを見つけたと、京都産業大のグループが発表した。細胞老化が引き金となるアルツハイマー病などの治療法の開発につながる可能性がある。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに2日、掲載された。

 小胞体はカルシウムイオンの貯蔵庫とされ、筋肉の収縮や免疫反応といったさまざまな生命現象を支えている。京産大の永田和宏名誉教授らは2008年、小胞体でタンパク質の品質管理にかかわる酵素「ERdj5」を発見。その後、小胞体にカルシウムイオンを取り込む「ポンプ」の調節役を担っていることも判明したが、ERdj5が失われるとどんな影響が出るのかは不明だった。

 永田名誉教授や潮田亮准教授らは、ERdj5を欠損させた線虫で細胞小器官のミトコンドリアに着目。ポンプ機能が破綻することで小胞体の外にカルシウムイオンが蓄積し、ミトコンドリアの構造を切断する因子が活性化されることが分かった。さらに切断されたミトコンドリアは機能低下を招き、細胞老化の原因となる物質が正常時より約1・5倍増え、線虫の寿命も約10%短くなったという。ヒトやマウスの細胞でも同じ仕組みを確認した。

 潮田准教授は「この酵素の機能をいかに維持させるかが、生活習慣病や老化などの予防の足掛かりになるのではないか」と話している。