保育園近くの路面に書かれた「キッズゾーン」の表記(大津市皇子が丘1丁目)

保育園近くの路面に書かれた「キッズゾーン」の表記(大津市皇子が丘1丁目)

 大津市で園児らの列に車が突っ込み2人が死亡、14人が重軽傷を負った事故から8日で半年を迎える。滋賀県や市は交差点改良などの対策に乗り出したが、完了したのは一部にとどまる。県内ではその後も重大事故が続き、今年の事故死者数は昨年同期の1・6倍に増えた。被害園児の家族らは7日、安全な交通環境の実現を願い、県と県警、市に、通学・通園路の整備や被害者支援などに関する提言書を提出した。

 県は事故後、日通行量1万台以上の572交差点を点検し、400カ所以上でガードレールやガードパイプなどの防護柵が未設置だったり、歩道と車道に境界ブロックがなかったりするのを確認した。来年3月までに国の補助が受けられる通学・通園路など緊急性の高い交差点にガードパイプを設置する意向だが、50カ所にとどまる見込みだ。一方で、防護柵やブロックに損傷があった48カ所では補修を終了。県は「未対策の交差点も精査して対応を検討したい」という。
 大津市は、市内全ての保育園や幼稚園の散歩コースをチェックした。ガードレール未整備や区画線の損傷など危険箇所697カ所のうち、24カ所で対策を終えたか、近く完了する。「残りは本年度内に行いたい」とするが、道幅が狭く安全な形状に直せないなど対応が難しい場所もあるという。
 ドライバーへの注意を促すため、市は全国に先駆けて、保育園や幼稚園が近くにあることを示す「キッズゾーン」の路面標示を4園の周辺で試験導入した。効果はまだ見えないが、市は「有効性を高めるため周知を進めたい」といい、年度末までに残る全183園周辺への拡大を目指す。
 市内では、園児の散歩に同行して見守るボランティア「キッズガード」も7月に始まったが、活動するのは1人のみだ。市は「ボランティアといえど責任が重い役割」として、人数や同行の行程など、在り方の検討を進めていくという。
 園児死傷事故の後も、県内では5、6月に名神高速道路で多重衝突事故が発生するなど多数が死傷する事故が相次いだ。県警によると、1~10月の人身事故件数は2993件で前年同期と比べて14%減ったが、死者数は50人で67%増となった。歩行者と二輪ドライバーの死者が増加し、半数以上を占めているという。