隣地との連続性や町並みとの調和を踏まえて建てられた新築物件。「新町家」の一つの例とされている(京都市上京区)

隣地との連続性や町並みとの調和を踏まえて建てられた新築物件。「新町家」の一つの例とされている(京都市上京区)

 京都市は、京町家の知恵を生かした新築住宅「新町家」の設計、建築に向けた指針をまとめた。減少が続く京町家を保全するだけではなく、現代に合った新たな京町家像を示し、古都の町並みと調和した住宅の建築を促す狙い。本年度内には新町家の認証制度を始める予定で、指針のガイドブックを作り、市民や事業者に周知している。

 市によると、京町家は2008~09年度に4万7735軒あったが、16年度までに約5600軒減少した。18年5月には京町家の所有者に、解体前の届け出を義務付ける条例を施工。約2年間で57軒の解体届が出されており、市は「届け出義務のない京町家もあり、さらに多くが解体されているのでは」と推測する。

 新町家は、京町家の技術や生活文化の蓄積を生かした新築住宅。隣地や景観への配慮、季節を楽しむ工夫、伝統技術などに重点を置いた5項目を設計の際に重視すべき指針として掲げた。指針を満たした住宅を新町家として認証する。市ホームページで公開するガイドブックでは、季節の草花を飾る場所を設けたり、古材を使ったりするなど、指針の具体例を紹介している。

 市まち再生・創造推進室は「指針は京町家の知恵に基づいており、取り入れ方は自由。住宅を建てる際は取り入れてほしい」としている。