保護区域の群生地で花を咲かせたカタクリ。大勢のハイカーが観察に訪れている(京都市西京区・小塩山)

保護区域の群生地で花を咲かせたカタクリ。大勢のハイカーが観察に訪れている(京都市西京区・小塩山)

 京都市西京区大原野の小塩山(おしおやま)に群生するカタクリが見頃を迎えている。イノシシの食害に遭いながらも、可憐(かれん)に咲いた花々が斜面を薄紫色に彩った。時折ギフチョウも蜜を吸いに訪れ、ハイカーたちを魅了している。

 カタクリはユリ科の多年草で、発芽から開花まで8年前後かかるという。環境団体「西山自然保護ネットワーク」が山頂(642メートル)付近の谷を保護区域とし、日当たりを良くするための間伐や、シカよけ柵の整備などを続ける。

 昨年には、イノシシが防獣ネットを破って群生地に侵入。土を掘り返して球根を食べ荒らした形跡が数十カ所で確認されたといい、同団体の宮﨑俊一代表(79)=長岡京市=は「花の咲き具合を心配していた。保全には大きな努力がいると改めて実感した」と話す。

 一部で被害が確認されたものの、4月初旬から開花が始まり、見頃は20日ごろまでという。恥じらうように地面に向いて咲いたカタクリの花びらは、日の光に照らされて独特の模様が浮かび上がり、訪れたハイカーたちがのぞき込んでいた。ミヤマカタバミやニリンソウも花をつけ、山野草の競演が楽しめる。

 山仲間と毎年訪れるという男性(79)=大阪市旭区=は「昨年のほうが数は多い気がしたが、やっぱりきれい。長い間地中で頑張った末に咲く姿を見るたび、感動する」と笑顔を浮かべた。