京都市

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 京都市が進めている新景観政策の見直しで、高さ制限の上限を超える建物などを一定の条件下で認める「特例許可制度」について、市が地域ごとに適用ルールを定める方針を固めたことが18日、分かった。市中心部の「田の字地区」を除く周辺部のうち、景観上許容できる地域では、住民と協議した上で高さやデザインの規制緩和を一定認める。一方、中心部や景観保全が必要と判断した地域では原則として特例を認めないなど、地域の特性に応じて景観政策の内容にメリハリを付ける方向で検討する。

 特例許可制度は2007年の新景観政策の導入と同時にスタートした。対象地域を明示せず、適用基準も曖昧なため、市民から不公平さを指摘する声も上がっていた。これまでに同制度に基づき新築7件について高さ制限を緩和した。うち6件を病院や大学などの公的施設が占める。許可が出るまで最長で1年程度かかることから、申請を敬遠する事業者も多い。

 市は18日、有識者らでつくる検討委員会から新景観政策見直しの方向性をまとめた答申を受けた。答申は、特例許可制度について地域の特性を生かした形での活用促進を求めているため、市は適用ルールを地域ごとに定める方針で、本年度中にガイドラインを策定することにした。

 具体的には、市周辺部の主要駅周辺などで特例許可制度が適用しやすくなる地域を設ける。良好な景観やまちづくりに貢献する場合は、高さやデザインの規制緩和も認める。都市計画法に基づく決定の前に、各地域の住民の意向を反映させる仕組みを整え、地域ビジョンの策定を支援する。

 一方、風致地区や美観地区などのように景観保全が求められる地域では、原則として特例を認めない方向で検討に入る。

 市が新景観政策の見直しに着手したのは、ホテルの建設ラッシュなどによる地価の高騰で、市内に家を持てない子育て世帯が市外へ流出し、企業向けのオフィス不足が加速しているといった背景がある。市幹部は「市中心部にたまった熱を周辺部に分散させることが必要だ。景観保全の背骨は守りながら、緑地や公共スペースの確保といった施策を組み合わせて総合的な景観の向上につなげたい」と話している。