記者会見で医療法人や医師への不信感を述べる原告の男性(左側)=大津市京町3丁目・大津地裁

記者会見で医療法人や医師への不信感を述べる原告の男性(左側)=大津市京町3丁目・大津地裁

 健康診断でがんが見つかりながら医師から伝えられず、完治が不可能になったとして、大津市の60代男性らが8日、同市の膳所診療所を運営する医療法人・滋賀勤労者保険会と担当医師に損害賠償約1億2千万円を求め、大津地裁に提訴した。

 代理人弁護士によると、男性は2016年11月に同診療所で健康診断を受け、胃がんの検査結果が出ていたが、担当医師からは伝えられていなかった。約1年後に健康診断を受けた際、ステージ4まで進行していることが明らかになった。医師からは、告知しなかった理由の説明はなく、男性は入退院を繰り返し、代表を務める設計事務所の業務が難しくなり、収益の減少などの損害が生じたという。

 男性は8日に記者会見し、「別の病院によると、16年時点では初期がんだったとみられ、余命宣告されたこともありショックだった。診療所側からはほとんど音沙汰がなく倫理観を疑う」と話した。

 医療法人は京都新聞社の取材に「担当者がいないので分からない」とした。