「学びの風景」が大きく変わることになるだろうか。

 小学校から高校段階に至る今後の教育の在り方に関し、柴山昌彦文部科学相が総合的な検討を中教審に諮問した。

 注目されるのは、教科担任制の小学校高学年への導入推進が盛り込まれたことだ。教員の働き方改革にもつながると期待されている。

 1~6時間目までの全教科の授業準備をするのは教員にとって負担も大きい。一方で2020年度以降の学習指導要領は「主体的・対話的で深い学び」の実現を掲げ、教育現場では指導力向上が急務となっている。

 小学生の発達は昔と比べて早まっており、専門家からも教科担任制は合理的との声が聞かれる。

 とはいえ働き方改革には、教員配置の充実など抜本的な対策が欠かせない。各種制度の見直しとともに、その道筋を示す議論も深めるべきだ。

 文科省によると、学級担任が授業をするか、教科ごとに別の教員が教えるかについて法令上の規定はない。

 小6の場合、音楽や理科で18年度中に教科担任制を取り入れるとした学校は5割前後にのぼる。来春から教科となる英語は専門教員の確保を予算化している。

 既に教科担任制に取り組み、担任同士で得意な教科の一部を交換している学校もある。

 むしろ音楽や図工など専門的な教科では、低学年から教科担任の方が子どもに望ましいのではないか。芸術系大学の卒業生の受け入れ先としても期待できる。

 学級担任制を基本とする小学校教員の1週間当たりの平均授業時間は、教科担任制の中学校教員より多いという。小学校の教員採用試験の倍率は低迷しており、検討を重ねる価値はある。

 ただ、教科担任制では一人一人の子どもと向き合う時間が減るのではとの懸念も拭えない。

 高学年となると思春期にも近づき、いじめなどの問題が心配される。子どもの様子について教員間でしっかり情報共有する必要があり、そのための時間をどう確保するかが問われてくる。

 小規模校で実現するための教員配置や、小中学校の教員免許一体化を求める意見もある。

 指導の充実と教員の負担減という二律背反ともいえる課題の解決を狙った諮問内容である。本当に子どもと教員のためになるのか、現場の声を踏まえて十分に検討してほしい。