旧京都商工会議所のビルから取り外され、陶板名画の庭に展示されているモザイク作品(京都市左京区)

旧京都商工会議所のビルから取り外され、陶板名画の庭に展示されているモザイク作品(京都市左京区)

 旧京都商工会議所ビル(京都市中京区)の床にあり、建物とともに取り壊される予定だったモザイク作品が、愛好家らの手で解体寸前のビルから「救出」された。左京区の府立陶板名画の庭で展示されている。

 全国の公共施設やホテルでモザイク作品を手掛けた洋画家の故矢橋六郎さん(1905~88年)の作品で、床面に黒いタイルで作った十二支の動物が円形に配されていた。建物解体を知ったモザイク作家外村まゆみさん(55)=北区=が作品を引き取ることになり、商議所移転後の3月中旬から下旬にかけ、協力者とともに作品を床から剝がした。

 施工当時、矢橋さんはあらかじめ動物の形を完成させたうえで現地に運んで埋め込んだとみられ、「きれいに外せてよかった」と外村さんは言う。

 陶板名画の庭には、亥(い)や丑(うし)、寅(とら)など6作品と、中央にあった直径1・5メートルの円盤を展示した。今年9月15日までで、外村さんは「ビルはなくなっても商議所の思い出が残せてよかった。日本的なモチーフの美しさとともに、多くの方にモザイクの魅力を知ってほしい」と話している。

 取り外しや搬出費用を賄うため、6月5日までクラウドファンディングサイト「Ready for」で資金を募っている。「旧京商ビル」で検索すると外村さんのプロジェクトが出る。