取引のルールが、あまりにも一方的に変更される-。そんな不満が、IT大手の取引先にたまっていることが明らかになった。

 解消するには、関連する取引において、公正さと透明性を担保するしかない。法によって規制することも、やむを得ないだろう。

 「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業や国内大手のインターネット通販などについて、公正取引委員会が実態を調査し、結果を公表した。

 すると、調査対象となった5社に出品する業者のうち、少ない社で約5割、多い社では9割超が、「規約を一方的に変更された」と回答していた。変更には、出品者にとって不利益な内容が含まれていた、との訴えもあった。

 具体的には、出品者に責任がない場合でも、通販などを運営するIT大手の意向を受けて、返品や返金を強いられた、という。

 事実だとすれば、不平不満が積もるのは、当然である。

 いやなら、出品をやめれば、よさそうなものだ。

 ところが、不満はあってもIT大手との取引を利用せざるを得ないとの回答が、約8~9割の高い水準にある。

 IT大手は、利用者の多さや、代わりとなる企業がないこと、別のサービスの利用を妨げる囲い込みなどで強い立場にあり、意向に逆らうのが難しいからだ。

 こうした状況を、見過ごしてはならない。取引先やユーザーに、不当に不利益を強要するようなことがあれば、独占禁止法に抵触する可能性が出てくる。

 公正取引委員会と経済産業省、総務省は合同で、IT大手と中小企業などの取引が公正に行われるよう、法規制や取引の指針策定を検討している。自民党は、新法の制定を政府に要請した。

 実効性のある法規制の導入を、急ぐべきだ。

 IT大手は検索にとどまらず、通販から決済、物流、交通にまで活動の領域を広げている。

 技術革新や消費者の利便性を高める動きに、規制によって水を差すのはよくないが、公正さと透明性を欠いてしまっては、まっとうなビジネスとはいえまい。

 既存産業、市民社会とのバランスを保つことが大切だ。

 IT大手をめぐっては、個人情報の独占や流出、収集したデータの扱い、課税のあり方にも、懸念が高まっている。先行する欧州などの事例をよく吟味し、解決に向けた道を探ってもらいたい。