日中は汗ばむ陽気となり、街角からコート姿の人がめっきり減った。野の草花も生気に満ち始め、季節の移り変わりを実感させる時節である▼きょうは二十四節気の一つ穀雨。春が終盤を迎え、百穀を潤す雨に恵まれるとされる。農家にとっては、種まきや育苗に忙しい時期だ▼京都市左京区の府立植物園でレンプクソウ(連福草)の花が咲き始めたと聞き、訪ねてみた。土を掘ると地下茎にフクジュソウ(福寿草)がついて出てきたことからついた和名とか▼高さ10センチ前後の茎の頂部に直径5ミリほどのかれんな花が五つ集まって咲く。黄緑色の上、ルーペで見ないと分からないほど小さいからつい見過ごしてしまう。シカの食害で府の絶滅寸前種になっているが、福に連なる縁起のいい花だ。なんとか持ち直してもらいたい▼<山吹の咲きたる野辺のつぼすみれ この春の雨に盛りなりけり>高田女王。万葉集にうたわれたツボスミレ(別名ニョイスミレ)も清楚(せいそ)な姿を見せる。園の木々も草花もここ1週間ほどで一気に季節をおう歌し始めたそうだ▼昨年は台風被害で30本ほどの大木が倒れ、所々に傷跡が残る。今年こそは穏やかに推移してほしい。日本気象協会によると10連休中は晴れる日が多く、気温は平年並みとか。自然の息吹に触れるいい時候である。