マイナンバーカードの新規取得者や保有者に対し、買い物などで使える最大2万円分のポイントを付与することで自民、公明両党が合意した。

 政府が今週取りまとめる新型コロナウイルス経済対策の一つとして盛り込まれる見通しだ。

 消費の喚起と併せて、カードの普及につなげたい狙いだが、どれだけ押し上げ効果があるかは不透明だ。

 伸び悩むカード取得を、ポイント付与で強引に進めようとするやり方には、疑問を感じざるを得ない。

 ポイントは、新たにカードを取得した人に対して上限5千円分、健康保険証として使用する登録をした人や預貯金口座をひも付けした人に、それぞれ7500円分を付ける。

 政府は、2022年度末までに、ほぼ全国民にカードを行き渡らせることを目標としている。

 消費税率10%への増税に伴う景気対策でも、20年から今春までカードを使ったポイント事業を実施してきたが、全国のカード取得率は、今月1日現在で約4割にとどまっている。

 先月から、健康保険証の機能を持たせる制度も本格的に始まったが、必要なシステムを導入した医療機関はまだわずかで、利用は限られている。

 そもそも、カードの取得が進まないのは、必要性が乏しい上、個人情報が流出したり、行政に集約されたりすることへの懸念を、多くの人が抱いているからではないか。

 自分の医療情報や金融機関の口座をカードに結びつけることに慎重な人が少なくない。

 そうした国民の不安を解消しないままでは、普及は進まないだろう。

 マイナンバーカードを巡っては、24年度末までに運転免許証、25年度からは在留カードとしても利用できるようにすることが決まっている。

 12月の運用開始を目指す政府の新型コロナウイルスワクチン接種の電子証明書を取得する際にも必要となる見込みだ。

 多機能化が進めば利便性は高まるものの、情報の漏えいや不正使用などのリスクが増大する恐れもある。

 政府は、情報管理やセキュリティー対策などをいっそう強化するとともに、カードの安全性について国民に丁寧な説明を尽くす必要がある。