新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を12月から実施することが正式に決まった。

 接種から時間が経過すると感染や重症化のリスクが高くなるとして、厚生労働省の分科会が追加接種を了承した。

 対象は18歳以上の希望者で、医療従事者から始め、年明けには高齢者を中心とした一般に広げていく。

 接種は無料で任意だが、妊婦以外は「努力義務」が課せられる。

 2回接種を完了した人は日本の総人口の75%に達している。当初は想定していなかった3回目を行う理由や注意点について、政府は丁寧に説明しなくてはならない。

 従来との違いは、2回目までとは異なるワクチンを打ってもよい「交差接種」を認めることだ。海外での有効性や安全性に関するデータを踏まえた。

 米ファイザー製から使用し、米モデルナ製も承認され次第使われる。厚労省分科会の資料によると、交差接種による副反応は、米国の調査で同種接種と比べて同じ程度だったという。

 政府はこれまで、2回とも同じメーカーのワクチンを打つよう推奨してきた。混乱のないようにしてほしい。

 接種のタイミングは2回目を終えてから原則8カ月以上とする。ただ、自治体の判断で6カ月に短縮することも例外的に可能としたため、困惑の声も出ている。

 まず、医師や看護師ら打ち手の確保が急務だ。時期が早まれば、日常の医療活動や準備にも影響が出かねない。大規模接種会場の設置も含め、滞りない態勢づくりを心掛けてもらいたい。

 接種券は未接種者と分けて送らなくてはならない。2回目接種後に引っ越した人は漏れる可能性もあり、周知が要る。

 電話やインターネットでの予約の受け付けは、過去の失敗例も踏まえて改善していくべきだ。

 国からワクチンがきちんと届くのか、不安視する自治体も多い。供給が遅れ、接種を中断せざるを得なかった前例もある。国は供給スケジュールを前もってしっかりと示すことが必要だ。

 感染状況は現在、落ち着いており、飲み薬も開発される中、3回目を希望する人がどのくらいいるのかは見通せていない。

 12歳以上18歳未満については対象外としたが、安全性や有効性から検討するとしている。

 感染「第6波」も想定されている。状況を見ながら、柔軟に対応していくことが求められる。