11月5日に久々に持ち込まれた丹波マツタケ(手前)。左奥は海外産。香りや歯ごたえが全く違うという=南丹市八木町・八光館

11月5日に久々に持ち込まれた丹波マツタケ(手前)。左奥は海外産。香りや歯ごたえが全く違うという=南丹市八木町・八光館

 京都の秋の味覚を代表する「丹波マツタケ」が、主産地の京都府南丹市や京丹波町などで、今季は例年にない不作となっている。10月上旬の暑さが原因とみられるが、山の環境の変化で年々、生産量が減りつつある中、追い打ちをかける苦境に、関係者は「不作というより凶作」と嘆いている。

 府内有数の産地である同町のJA京都丹波支店の今季これまでの出荷量は約20キロで、例年の10分の1ほど。同園部黒田支店(南丹市)では約2キロで、こちらも平年のおよそ10分の1といい、「これほど悪いのは記憶にない」(同支店)。

 「凶作」の原因は、10月上旬の気候と考えられる。同市園部町では、最高気温が30度を超える真夏日が続いた。生育に適した土の温度は19度とされており、暑さに弱いマツタケには不向きな気候だった。

 丹波地域が牽引(けんいん)してきた府内のマツタケ生産量は今年に限らず、右肩下がりだ。1970~80年代は100トン前後だったが、90年代には20~30トン程度に。減少は続き、1トンを割り込む年も最近は珍しくない。2020年は、府が把握する1973年以降で最低の0・2トンに落ち込んだ。

 安価な輸入の木材や燃料が使われ、木が切り出されなくなった結果、山が富栄養化。栄養が乏しい山を好むマツタケにとって不適切な環境となった。マツタケ採りのベテラン男性(63)=南丹市八木町=は「マツクイムシの被害も広がっている」と声を落とす。普段は100本前後を収穫するが、「今年は10本もいかないくらい」と話す。

 今年は、過去最悪だった昨年と同程度か、それ以上に落ち込む可能性も高いとみられる。府林業振興課は「京丹波町の(生育環境を整えた)試験地でもマツタケが出づらい。生産者らからは『今年も厳しい』と聞く」とする。来年に望みをつなぎたい多くの関係者は「作柄が戻ってほしいが、気候次第だ」と気をもむ。