戦後の体験を語る黒田さん(南丹市園部町・園部中)

戦後の体験を語る黒田さん(南丹市園部町・園部中)

 旧満州(現中国東北部)に渡って終戦後に孤児となった黒田雅夫さん(84)=京都府亀岡市西つつじケ丘=が、命の危険にさらされながら帰国した体験や中国に残った弟との離別など、戦争がもたらした惨禍を南丹市園部町の園部中で生徒を前に語った。黒田さんは「体験を伝えてほしい」と願った。

 開拓団として両親らと1944年に満州へ渡った黒田さんは、45年8月のソ連の侵攻や敗戦を機に、ソ連軍などに見つかるのを恐れながら逃げたと述懐。たどり着いた難民収容所で祖父や母は亡くなり、弟は中国人に引き取られて生き別れになったと振り返った。

 孤児として路上で暮らした後、教会に保護されて46年に帰国。弟とは後に再会したが、「なぜ中国に残されたのか」といったわだかまりが残り、「弟と心からの会話は今もできない」と話した。同中教諭で長男の毅さん(54)は「戦争の傷は今も残る」と言葉を添えた。

 講演は1日にあり、2年生約130人が出席した。