立憲民主党の代表選がきのう告示された。

 衆院選敗北を受けて引責辞任した枝野幸男氏の後継選びには、中堅を軸に4人が名乗りを上げた。

 自公政権に対峙(たいじ)し得る結集軸をいかに再構築するか、野党共闘の在り方や党再建策が問われよう。

 昨年9月に旧立憲民主、旧国民民主両党などが合流し、新たな立民が発足して1年余り。衆院の議席は大きく減らしたものの、衆参両院の副議長を含め国会議員140人を擁する野党第1党だ。与党の政権運営をチェックし、国政に緊張感をもたらすためにも野党勢力をまとめる役割が求められる。その先には、政権の「受け皿」への脱皮も視野に入れねばなるまい。

 立候補したのは、逢坂誠二元首相補佐官、小川淳也元総務政務官、泉健太政調会長、西村智奈美元厚生労働副大臣。これまで枝野氏の発言力が強く、「枝野1強」とも言われてきただけに「本命不在」との印象もやむを得まい。

 新代表には政権をもうかがう意気込みが欠かせないが、4人の主張は、どんな社会をつくるのか、何を目指す集団なのか漠然としている。党の立て直しに向けて、より具体的な政策や構想をぶつけ合い、立民が目指す社会の姿について有権者がイメージできるような論戦を交わしてほしい。

 加えて枝野氏のトップダウンが目立った党運営を改め、党内外の意見を生かすことが不可欠だ。統率力と同時に人間的な魅力も競ってもらいたい。

 来夏には参院選が待ち受ける。喫緊の課題は、地域組織が脆弱(ぜいじゃく)な党体制をいかに立て直し、これまで取り組んできた野党協力をどう深化させるかだ。代表選では、枝野氏が主導した共産党などとの野党共闘の成否を深く検証してほしい。その教訓を踏まえ、今後の国会対応や各種選挙での共闘態勢を練り上げ、実践的に行動していけるかが党再生の鍵となろう。

 旧立民出身で、枝野氏の路線を継承する逢坂、西村両氏をはじめ、小川氏や泉氏も1人区で野党候補一本化を目指す考えに大差はない。とはいえ共闘の在り方や立ち位置、評価は微妙に異なる。

 代表選は結党後初めて、国会議員に加え、地方議員や約10万人の党員らも投票する「党員参加型」で行われる。衆院選前に衆目を集めた自民党総裁選と比べて、有権者の関心や期待は必ずしも大きくはない。だが強い野党が強い民主主義をつくるとも言われる。代表選の盛り上がりを期待したい。