石をつり上げて組み直す住民ら(南丹市園部町天引)

石をつり上げて組み直す住民ら(南丹市園部町天引)

 京都府南丹市園部町天引で、集落を流れる石垣の水路の補修が行われた。古き良き里山の景観を保ち、希少生物の「ゆりかご」にもなっている場で、住民らが崩れた石垣を丁寧に組み直していった。


 水路は幅1メートル、水深30センチで全長約600メートル。園部川の水を引き込み、生活用水や防火用水として使っている。今では珍しい石垣でできており、隙間を隠れ家や産卵の場にして多くの生き物がすみ着く。オオサンショウウオやマツカサガイといった希少生物も見つかっているという。

 20日、住民でつくる「天引区の活性化と未来を考える会」が補修を実施し、15人がツルハシなどを手に参加した。水が流れる部分とは逆に石垣の重心が向かうように組むと丈夫になる、といったこつを奥村忠夫さん(75)らから聞きながら汗を流した。作業の途中でカニなどが見つかり、住民らは石垣が生物の多様性を育んでいることを実感した。

 同会の原田久さん(69)は「美しい景観や生き物を育む石垣の水路を何とか守っていきたい」と話した。崩れた部分は他にもあり、今後も作業を続ける。