京都地方裁判所

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 京都市左京区のマンションで昨年7月に総合支援学校高等部の男子生徒=当時(17)=が母親に殺害された事件で、殺人の罪に問われた生徒の母親(54)の裁判員裁判の初公判が24日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であった。被告は「間違いありません」と起訴内容を認めたが、弁護側は事件当時、心神喪失状態だったとして無罪を主張した。

 起訴状によると、2020年7月16日午後6時半ごろから17日午前9時ごろまでの間に、自宅マンションの居室で、総合支援学校に通う長男の首をベルトのようなもので絞めて殺害したとしている。

 検察側は冒頭陳述で、重度の知的障害があった長男の卒業後の就職先を探したが、見学した施設から受け入れが困難と言われ、将来を思い悩んで犯行に及んだと指摘。被告もうつ病を患っていたとした上で、「うつ病が犯行に大きく影響したが、善悪の区別に従って犯行を思いとどまる能力は残っていた」として心神耗弱の状態だったと述べた。

 一方、弁護側は、被告がうつ病や強迫性障害を15年以上抱えながら1人で長男や自身の母親の世話をしていたと説明。思い詰めて自殺を決意し、長男を1人で残すことはできないと考えて殺害したとし、当時の精神状態から犯行を思いとどまる能力を失っていたと主張した。

 被告人質問で被告は、「疲れていて何もかも終わりにしたかった。(親族や知人に)悩みを伝えるのが苦手で打ち明けることができなかった」と述べ、「(長男は)私の全て。大好きだった。後悔している」と声を震わせた。