8種の酒粕から一つを選んで味わえるラーメン。製造メーカーが分かるプレートを付けて出す(京都市伏見区・らーめん門扇)

8種の酒粕から一つを選んで味わえるラーメン。製造メーカーが分かるプレートを付けて出す(京都市伏見区・らーめん門扇)

「SNS映え」も意識し、板状の酒粕をそのまま載せたトースト。こしあんと混ぜて塗って食べる(京都市伏見区・夢百衆)

「SNS映え」も意識し、板状の酒粕をそのまま載せたトースト。こしあんと混ぜて塗って食べる(京都市伏見区・夢百衆)

看板メニューの「スペシャルとん平焼き」のソースに酒粕を混ぜ込んだ逸品。焼いている途中で追加できる酒粕(小皿)はあぶっており、そのままでも食べられる(京都市伏見区・和み鉄板 きた)

看板メニューの「スペシャルとん平焼き」のソースに酒粕を混ぜ込んだ逸品。焼いている途中で追加できる酒粕(小皿)はあぶっており、そのままでも食べられる(京都市伏見区・和み鉄板 きた)

8種の酒粕から一つを選んで味わえるラーメン。製造メーカーが分かるプレートを付けて出す(京都市伏見区・らーめん門扇)

8種の酒粕から一つを選んで味わえるラーメン。製造メーカーが分かるプレートを付けて出す(京都市伏見区・らーめん門扇)

 酒どころ・伏見を歩き、ならではの酒粕料理を味わう-。京都市伏見区内の居酒屋やカフェなどの飲食店が、地元の酒蔵から出る酒粕を使ったメニューを提供する「酒粕グルメさんぽ」が、京阪伏見桃山駅を中心とした一帯で開かれている。

 酒造会社23社でつくる伏見酒造組合が、観光客の呼び込みや酒粕の有効利用のPR、新型コロナウイルス禍で苦境に陥った飲食店への支援を狙いに、10月30日に始めた。

 酒造会社と取引のある店や直営の飲食店13店が参加し、ラーメンや鍋といった王道の「汁物」から甘味まで、工夫を凝らした逸品で来場客を楽しませている。

 おいしい物には目がない記者が3店舗を訪れ、各店のメニューを味わってみた。

■8種の酒粕から一つを選ぶラーメン
 

 飲食店が軒を連ねる施設「伏水(ふしみ)酒蔵小路」にある「らーめん門扇」。2016年にオープンしたこの店では、8種の酒粕から客が選んだ一つを調味料を混ぜ、鶏がらと野菜を煮込んだスープに溶かして提供している。

 蔵元が酒造りに使う米の種類や絞り方の違いで、香りの強さやスープの濃度が変わる。京都市内に展開する3店舗で酒粕ラーメンを出しているが、8種の酒粕から選べるメニューは伏見区のこの店舗が唯一で、まさに酒どころの味といえる。

 新型コロナ禍の拡大では、酒類提供の停止や時短営業が飲食店や酒造会社を直撃した。

 山口雄大店主(31)は「うちはランチに力を入れているので、ランチ客の認知度が上がったプラスの側面もあった」と言いつつ、「取引のある酒蔵からは『ほんまにしんどい』という声を聞いた。『例年通りの量の酒粕を出荷できないかも』という話も一時はあった」と振り返る。「これから寒くなり、お酒も酒粕もおいしい季節。飲食店と酒蔵の両方が注目されるイベントになれば」と願う。

■酒粕を目で楽しめるメニューも
 

 伏見大手筋商店街の西側にある、お好み焼き店の「和み鉄板 きた」では、看板の「スペシャルとん平焼き」のソースに酒粕を混ぜ込んだ上、焼いている途中に酒粕を追加できるメニューを新たに考案した。

 酒粕を追加する量により、香りや味の変化を楽しめる。酒粕は板状で少しあぶっており、そのまま食べる客も多いという。

 喜多和彦店主(50)は「好評なので、レギュラーメニュー化も検討している」と自信を見せる。

 板状の酒粕をバターのようにトーストに載せて出すのは、観光案内施設「伏見夢百衆」の喫茶コーナー。酒粕とこしあんを客が塗って食べる「酒粕あんトースト」を、19年ごろから提供している。「SNS映え」も意識した一品で、担当者は「写真も撮って楽しんで」と呼び掛ける。
 
■「当初は粕汁くらいかと…」
 

 酒造組合の大倉博副理事長は「企画した時は『粕汁くらいしか出てこないのではないか』と危惧したが、各店の工夫が光るメニューがそろった」と胸を張る。「単品はもちろん、自慢の日本酒とも一緒に味わってほしい」とアピールしている。

 イベントは来年1月23日まで。伏見の風景やグルメをテーマにしたフォトコンテストも開催中で、賞品に伏見の酒の詰め合わせセットなどが贈られる。各店の場所や営業時間、フォトコンの応募方法は、組合ホームページで紹介している。

 その他の参加店とメニューは次の通り。

 酒粕担々麺(中国料理くれたけ)▽酒粕鍋(鳥せい本店)▽伏見鶏へしこ(伏水89丁目食堂)▽自家製ポテトサラダ(伏水酒蔵小路酒蔵カウンター)▽酒粕のクリームシチュー(バル・バナ)▽酒粕唐揚げ(伏水焼鉄)▽酒粕とろろそば(醪音伏見店)▽金華豚の角煮-酒粕仕込み(京の台所月の蔵人)▽牛時雨粕汁茶漬け(肉匠森つる)▽酒粕漬けの鶏の唐揚げ(キザクラカッパカントリー黄桜酒場)