病院経営の脆弱(ぜいじゃく)さが、新型コロナウイルス禍でいっそう浮き彫りになった。

 厚生労働省の2020年度医療経済実態調査によると、一般病院の1施設当たりの利益率はマイナス6・9%の赤字で、前年度比3・8ポイント悪化した。

 コロナ関連の補助金を含めると0・4%の黒字となった。

 感染拡大による受診控えなどで経営が悪化し、多くの病院が補助金で赤字を穴埋めしている現状が明らかになった。

 コロナの影響とはいえ、補助金頼みの経営は健全とは言えまい。医療機関としての役割を踏まえ、具体的な経営努力が必要だ。

 特徴的なのは、民間病院と国公立病院の格差だ。

 医療法人が運営する民間病院が0・1%の黒字だったのに対し、国公立病院は赤字が目立つ。特に公立はマイナス21・4%で、補助金を含めても同7・3%の赤字だった。

 コロナ診療の中心的役割を担っている国公立などの病院は、患者を受け入れるため一般医療の制限を行ったところも多く、減収につながったとみられる。

 このままでは民間との格差が拡大する可能性がある。国や自治体に認定されていることが多い感染症指定医療機関の役割が果たせなくなるだけでなく、地域医療の最後の拠点としての機能も危うくなる恐れがある。

 厚労省は公的病院の再編・統合方針を示しているが、民間病院との役割分担を進めるなど、コロナ対策の実績や地域の実情を踏まえ、自治体や住民とも十分に協議する必要がある。

 補助金の在り方も検討が要る。

 コロナ病床として申告しながら、患者を受け入れてない「幽霊病床」が問題化し、厚労省はそうした病床には補助金の上限を3割減らすと都道府県に通知した。

 政府は「第6波」に備え、感染拡大時の病床使用率を引き上げる方針で、12月から医療機関別の使用率を公表する。

 病床確保という本来の目的通りに補助金を適切に運用することは重要だ。

 ただ、医療人材が不足し病床が稼働できない場合や、受け入れ要請が少ないところもありうる。補助金の減額は実情をよく精査すべきだろう。

 今回の調査は、来春の診療報酬改定の基礎資料となる。コロナによる経営不振と報酬改定との関わりについても、十分議論することが求められる。