京都大学

京都大学

 高齢者の腎臓病が悪化しやすい原因を分子レベルで明らかにしたと、京都大のグループが26日発表した。原因となるタンパク質を標的にすることで、新たな腎臓病治療法の開発につながる可能性があるという。成果は米科学誌に掲載された。

 グループによると、高齢者の腎臓病は治りにくいことで知られ、末期腎不全で人工透析の導入に至る患者の平均年齢は約70歳という。グループは既に高齢者の腎臓には免疫細胞が集積して「三次リンパ組織」ができ、正常な組織修復を妨げる可能性を示しているが詳細なメカニズムは不明だった。

 医学研究科の柳田素子教授と佐藤有紀助教は、高齢マウスの腎臓に生じさせた三次リンパ組織にある細胞の特徴を解析。その結果、老化に関連する2種類のリンパ球「SAT細胞」と「ABC細胞」の存在を見つけた。さらに2種類の細胞はそれぞれの細胞膜上にあるタンパク質を介して相互作用していることを確認。相互作用をブロックすると、三次リンパ組織が発達しづらいことを突きとめた。

 柳田教授は「腎臓における三次リンパ組織の形成にはユニークなリンパ球のメカニズムがあることが分かった。新たな創薬への応用も期待できる」と話す。