京都府が、新型コロナウイルス感染への対応で新たな措置をとる際の独自の判断基準を決めた。

 政府のコロナ対策分科会が示した5段階の新指標に基づき、警戒を強化する「レベル2」に移行する場合の目安だ。「2週間後の病床使用率が30%を上回ると予測された場合」とした。

 目安を設けたのは、全国に先駆けてのことだという。

 政府の新指標はレベル2移行の判断に関する統一的な基準を示しておらず、事実上、都道府県任せになっている。

 感染が広がる局面では、府独自の基準で迅速に対処しなければならない。いかに実効性ある対策を打ち出せるかが問われよう。

 レベル2への移行は、新規陽性者数やワクチン接種率といったデータに基づく予測ツールを基に、他府県の感染状況なども踏まえて総合的に判断するという。

 店舗の営業時間短縮や府県をまたぐ移動自粛などを行うかどうかを検討するほか、一般医療に転用しているコロナ病床を元に戻すよう医療機関に要請する。

 従来の指標が全国一律の数値などを目安にしていたのに対し、新指標は病床逼迫(ひっぱく)の程度など地域の実情に応じた判断が重視される。

 自治体の裁量が広がったように見えるが、一方で客観的に判断できる数値などの材料に乏しく、戸惑う自治体は少なくないという。

 府は判断基準になりうるガイドラインの検討を政府に求めたが、明確な方針は示されなかったという。独自の基準で判断する府の責任はより重くなったといえる。

 府内の現在の状況について、西脇隆俊知事は安定的に医療が提供できる「レベル1」だとする。仮に感染が拡大してレベル2移行の判断を下す場合、その根拠をきちんと説明できなくては、府民の理解と協力を得ることは難しい。

 府内の専門家や医療機関などと協力して地域の感染状況を的確に把握し、病床や宿泊療養施設などの医療提供体制を十分に整えておくことも欠かせない。

 近隣府県との連携は、これまで以上に重要となろう。人の移動を制限するなどの措置を取る場合、隣接する自治体と歩調を合わせることが欠かせない。府はこれまで大阪・兵庫両府県と対応に差が生じないようにしてきた。

 その近隣府県も、今後はそれぞれの基準を持つ可能性がある。異なる基準が広域的な感染拡大防止策の妨げにならないか、意思疎通と十分な調整が必要だ。