日本電産は22日、2017年に買収した冷蔵庫用コンプレッサー(圧縮機)製造の独セコップ社を欧州のファンドに売却すると発表した。別のコンプレッサーメーカー買収に伴う審査で、市場シェアが高まることを懸念した欧州の競争規制当局が出した条件に従う。

 売却するのは、日本電産の欧州と米国の子会社が全株式を持つセコップ社のコンプレッサー部門。17年8月に約220億円を投じて買収し、自社のモーターと組み合わせたモジュール(複合部品)戦略で省エネ化が進む白物家電向け部品の競争力強化を狙った。

 昨春には同じく冷蔵庫用コンプレッサーを手掛けるブラジルのエンブラコを、親会社の米家電大手ワールプールから10億8千万ドル(約1200億円)で買収する計画を発表。欧州委員会は今月12日付で買収を承認したが、シェアを下げるためセコップ社の売却を条件として提示した。

 売却額は非公表。日本電産は近年、重点領域とする家電や車載事業分野で企業買収を積極化。コンプレッサーや排熱用のファンを取り込み、製品のモジュール化を加速する。

 一方、今回のように市場の寡占懸念から各国の規制当局が審査を厳格化する恐れもあり、日本電産が成長の源泉とするM&A(企業の合併・買収)戦略に影響を与える可能性がある。