各都道府県における政治資金収支報告書のネット公表状況

各都道府県における政治資金収支報告書のネット公表状況

 都道府県の選挙管理委員会が11月末までに公表する政治資金収支報告書を巡り、京都など40都府県がインターネットで全政治団体の原本を公表する一方、新潟、石川、兵庫、広島、福岡の5県が非公表、滋賀県と北海道は一部しか公表しない方針であることが、京都新聞社の取材で分かった。総務省は2004年からネット公表を積極的に検討するよう通知している。識者は「各自治体の姿勢の違いで政治と金の問題をチェックする機会が奪われてしまう」と指摘している。

 公表の地域差によって、例えば広島県選出の岸田文雄首相に関係する団体が県選管に提出する収支報告書の原本はネットでは調べられない。また、京都府の西脇隆俊知事が代表の資金管理団体の収支報告書はネットで原本を確認できるが、滋賀県の三日月大造知事が関係する団体はできない。

 政治資金規正法は「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする」ため政治団体の収支を明らかにするよう定めており、ネット公表もその一環で行われている。

 政党や国会議員、地方議員などの政治団体は、収支報告書を毎年、国や都道府県選管に提出する。寄付をした人、団体の名称や金額の他、政治活動などで支出した内容が記載されている。原本がネット公表されない場合は選管に出向いて閲覧したり、写しの交付を請求したりしないと詳細な内容は確認できない。

 滋賀県選管の昨年の定期公表では、収支報告書を提出した県内876団体のうち、ホームページで原本が公表されたのは国会議員関連の26団体とわずか約3%だった。今月30日の定期公表でも同じ傾向になるとみられる。京都府は18年から全団体の原本をネット公表している。

 非公表や一部公表の7道県は作業する人員不足などを理由に挙げる。政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は「全国の有権者が政治家の政治資金をチェックする上で、ネット公表の有無は決定的な問題だ。公表しない自治体は法の理念を理解していない」と話している。

 政治資金収支報告書 政治団体が1月1日から1年分の収入や支出などを記載した報告書。寄付をした人や団体の名称と金額のほか、政治活動などで支出した内容が記載されている。政治資金の透明性を確保するため政治資金規正法で義務付けている。政党とその政治資金団体、複数の都道府県で活動する政治団体は総務相に、一つの都道府県だけで活動する政党や国会議員、地方議員などの政治団体は都道府県の選挙管理委員会に提出する。