毘沙門堂をアジサイの名所にしようと、挿し木をする安朱小の児童(京都市山科区・毘沙門堂)

毘沙門堂をアジサイの名所にしようと、挿し木をする安朱小の児童(京都市山科区・毘沙門堂)

 紅葉と桜で知られる天台宗京都五箇(か)室門跡の一つ、毘沙門堂(京都市山科区)が、アジサイを寺の新たな魅力に育てようとしている。本堂へと続く仁王門の脇に、色とりどりの花が咲く風景を目指して苗作りが始まった。

 毘沙門堂は8世紀初めに行基によって開かれた。現在地に移転したのは17世紀で、天台宗を開いた最澄の自作と伝わる本尊・毘沙門天をまつる。


 春と秋は多くの人が訪れるが、年間を通して参拝者を引きつけられる環境を生み出そうと、寺の信徒会「大般若会」を中心に検討。境内にはアジサイの生育に適した場所が多いことから、桜とモミジに加えてアジサイの名所を目指すことになった。


 約400株を植える予定で、10月ごろから準備を進め、妙法院や曼殊院、三千院など既にアジサイを育てている他の門跡寺院から挿し木用の枝を譲り受けた。大般若会の加嶋一弘役員や会員らが挿し木を手掛け、11月中旬には近くの安朱小6年生も寺を訪れて、ポットに数種類の土を入れアジサイの枝を挿す体験をした。


 参加した女児(11)は「元気に育ってほしい。何年か後に花が咲いたところを見に来るのが今から楽しみ」と笑顔で話した。


 ポットの苗は1~2年は畑で育てる予定といい、寺の仁王門脇への定植は2年後を目指す。毘沙門堂の青木円学執事長は「心の豊かさを取り戻せるような空間をつくれるよう努めたい」と話している。