緊急事態宣言が10月1日に解除され、親子連れでにぎわう京都市動物園(10月9日、京都市左京区)

緊急事態宣言が10月1日に解除され、親子連れでにぎわう京都市動物園(10月9日、京都市左京区)

 京都市動物園(左京区)は、財政難にあえぐ市が設定した公費負担上限を約9千万円超過している。収支が改善されない場合、入園料の値上げを迫られる。

 月2回ほど長女(5)と来園する主婦(42)=伏見区=は「娘が動物も乗り物も大好きなので、値上げしても訪れると思うが、回数は減るかも」と残念そうに話した。

 現在の入園料は大人620円、中学生以下無料。他市では大阪市の天王寺動物園が500円(市内の中学生以下無料、市外の小中学生200円)、神戸市の王子動物園600円(中学生以下無料)、名古屋市の東山動植物園500円(同)で、値上げされれば料金格差はさらに広がる。

 京都市動物園の公費負担割合の上限は50%で、「大阪や名古屋の基準を参考にした」(市財政室)。19年度の同園の人件費、餌代などのコストは6億7千万円、収入は2億4500万円で、同割合は63%と基準を超過した。

 園は、これまでも努力を積み重ねてきたとする。昨秋からは農家や飲食店に規格外の野菜などを寄付してもらい、餌に充てた。取り組みは定着し、本年度は約900万円を削減できる見込みという。イベントは職員やボランティアが担って費用を抑えたほか、寄付を積極的に呼び掛け、11月末までに約1500万円が寄せられた。

 しかし、光熱費の削減分を合わせても収支効果は約3千万円。値上げ回避にはまだ6千万円近く足りない。これを入園者増で確保しようとすると、単純計算で有料入園者(19年度36万8600人)を1・3倍にする必要があるが、ある職員は「すぐには無理だ」と戸惑う。

 和田睛太郎副園長は「動物の健康と幸せを守るのが園の一番の使命で、飼育コストはこれ以上減らせない」と悩む。「どうやったら値上げを避けられるか、職員全員で考えている」というが、妙案は浮かんでいない。