大津地裁

大津地裁

 陸上自衛隊に勤務していた男性自衛官=当時(28)=が自殺したのは、長時間労働によるうつ病が原因だとして、滋賀県内の遺族が国に逸失利益など計約9千万円の損害賠償を求めて大津地裁(西岡繁靖裁判長)に提訴していたことが23日までに分かった。同日に第1回口頭弁論があり、国側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、男性は2等陸尉として松山駐屯地(松山市)で勤務。2012年12月ごろ、北朝鮮によるミサイル発射への対応や各種訓練の準備で時間外勤務が続き、13年4月の野営訓練参加でさらに負担が増え、5月10日ごろにうつ病を発症。宿舎で休養に入ったが、同27日午前5時ごろ、演習場内で自殺した。

 男性は、発症するまで野営訓練を中心に19日間連続で働き、同日まで1カ月間の時間外・休日勤務時間は171時間に上り、直近2週間では131時間だった。陸自中部方面総監(兵庫県伊丹市)は18年4月、長時間勤務などによる公務上の災害であると認定した。遺族側は「男性の業務内容や勤務時間は心身の健康を損ねる恐れがあったにもかかわらず、国は対策を怠った安全配慮義務違反の責任がある」と主張している。