表の数字の単位は百万円。▲は減

表の数字の単位は百万円。▲は減

 日本電産が23日発表した2019年3月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前期比15・3%減の1107億円だった。米中貿易摩擦による中国経済の減速が響き、部品需要が急減。収益改善に向けた構造改革のコストもかさんだ。本業のもうけを示す営業利益と税引前利益もともに落ち込み、いずれも13年3月期以来6年ぶりの減益となった。

 同社は1月に、米中の経済対立で18年秋から急激に進んだ中国市場の需要収縮を「尋常ではない落ち込み」(永守重信会長)と判断し、19年3月期の業績予想を大幅に下方修正。生産拠点の再編や経費の圧縮を急いだ。

 一方、電気自動車の駆動を担う戦略製品トラクションモーターやスマートフォン用カメラ向け部品の引き合いは急増し、生産態勢を前倒しで準備。欧州工場の統廃合なども含めて一連の構造改革費が388億円に膨らみ、利益を押し下げた。税引前利益は15・1%減の1390億円。

 売上高は2・0%増の1兆5183億円となり、過去最高を更新した。精密小型モーターやロボット向け減速機は落ち込んだが、注力分野の車載や家電・商業・産業用部門は増収を確保した。

 20年3月期は、下期にかけて中国での需要回復を見込み、売り上げ、利益とも過去最高の更新を予想。進行中のM&A(企業の合併・買収)が完了すれば、さらに収益が拡大する可能性もある。

 大阪市で記者会見した吉本浩之社長は「中国市場はまだ回復している実感はないが、これから需要は戻ってくる」と予想。「(引き合いが旺盛な)新製品の勢いも借り、過去最高の業績を更新する1年にする」と語った。