運転中の危険を予測するシミュレーションに取り組む来場者(京都府宮津市浜町・市民体育館)

運転中の危険を予測するシミュレーションに取り組む来場者(京都府宮津市浜町・市民体育館)

 高齢者が年を重ねても安全に運転し続けられるよう、京都府交通安全協会が認知機能や身体機能の低下を防止し、健康にもつなげる研修「ライフドライバーサポートプロジェクト」に乗り出した。同協会は「地方では車は必需品で、自分の運転技能を把握してもらいつつ健康維持と両立して長く乗ってもらいたい」と力を入れている。

 11月7日に京都府宮津市で催された交通安全フェア。市民体育館内に設置された大型のスクリーンに車を運転する映像が流された。交差点での発進や追い越しなど、事故が起きそうになると参加者は手渡されたスイッチを押した。運転能力に必要な危険予測のシミュレーションだ。

 会場には夜間を想定した障害物の確認、車を停止する訓練や健康維持のための体操など、さまざまなコーナーが用意された。参加した同市鶴賀の大上雅穂さん(79)も、買い物や趣味で車が手放せない。「運転に必要な体の機能を維持する方法を自分でも調べてみる」と手応えを感じていた。

 同協会は、これまでに京都市とともに高齢者の免許返納事業に携わっていた。だが、返納した人から「近くでバスが通っておらず外出できない」「買い物や病院に行けなくなった」との意見が寄せられていた。

 府警運転免許試験課によると、昨年の免許返納率は中京区が6・12%、下京区6・11%、上京区5・36%と高く、井手町が1・18%、和束町1・71%、京丹後市1・73%と低い。

 このため、地方では持続的に運転できる仕組みが必要だと考え、昨年10月に同プロジェクトを策定した。高齢者の認知機能維持のほか、事故の発生箇所など地元の道路に詳しい各警察署・自治体との連携や、衝突被害を軽減するブレーキを備えた「安全運転サポート車」の試乗体験にも力を入れる。自分の体と向き合ってもらい、返納の時期をきめ細かく見極められるようサポートしていく。

 今後、府内各地で講座を開く予定で、中邨仁事務局長(62)は「運転は移動手段のみならず、生活を守るためのツール。自分の技量を知り、上手に車とつき合えるよう支援していきたい」と話している。