八幡市役所

八幡市役所

 京都府八幡市へのふるさと納税の寄付が低調だ。直近3年間の寄付受け入れ額はいずれも20万円に届かず、府内の自治体でも最少に甘んじている。その半面、市民が他の自治体に行った寄付に対する税控除額は年々増えており流出額が拡大。寄付集めの自治体間競争にはこれまで静観を続けてきた市だが、「八幡市の魅力をPRする機会に」と方向を微修正し、返礼品追加やクラウドファンディング型の募集など増額へ向けた検討を進めている。

 八幡市の寄付受け入れ額は、2018年度18万円、19年度13万5千円、20年度17万円にとどまる。08年の制度開始以降、最も多い年でも152万円。昨年度の府内最多は亀岡市の約23億2900万円で、八幡市とは大きな開きがある。

 一方で市民税の減収額は、19年度約8800万円、20年度約9800万円、21年度約1億2千万円と年々増加。減収のうち75%は地方交付税で穴埋めされるが、人口減少などで厳しさを増す財政運営に流出増加は大きく響く。

 市の用意する返礼品は1万円以上の寄付で「松花堂庭園・美術館ペアチケット」の一つのみ。「都市と地方の税収格差是正が元々の目的」と、特典の豪華さを競いあう自治体間の競争にはくみしない姿勢を貫いてきた。しかし、古里などの「自治体への応援」を趣旨として始まった制度のゆがみのあおりを受けている状態だ。

 市は「注目度の高い制度を生かし、八幡市を知ってもらう機会に」と微修正。ふるさと納税の民間ポータルサイトでの掲載を今夏から始めた。八幡ならではの商品を募って地域ブランドとして認定・発信を目指す市の事業を生かして、返礼品に活用することも検討する。施策の事業費に対する寄付を募るクラウドファンディングの導入も企画している。

 市は「あくまで、これまでのスタンスは変わらない」としつつ「市に注目を集める一つの仕組みとして活用したい」とする。

■受け入れ増加の京田辺市も実質はマイナス

 ふるさと納税制度が普及し、寄付総額は年々増加している。魅力ある返礼品の用意に励む自治体でも、ふるさと納税での収入確保は容易ではない。

 返礼品を83品目揃える京田辺市では、寄付受け入れ額はここ数年増加を続け、昨年度は5千万円を突破した。一方で、受け入れ額の約43%は返礼品の購入や郵送料、決済手数料などのコストに消える。流出分は1億5300万円で、地方交付税による穴埋めも含めた全ての差し引きでは、実質約1千万円のマイナスだ。

 市の担当者は減収について、「返礼には地場産品を取り扱っており地域の業者が潤うことに役立っている。PRなど波及効果も含めるとマイナスとなるだけではない」とする。ただ「出ていく分は財政的に負担。返礼品を増やして寄付額を増やすほかない」としている。