iPS細胞備蓄事業と国の財政支援の重要を訴えた山中教授(11日、東京都内)

iPS細胞備蓄事業と国の財政支援の重要を訴えた山中教授(11日、東京都内)

 京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が11日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、iPS細胞(人工多能性幹細胞)のストック事業のために設立する公益財団について「大学の研究と企業の橋渡し」と説明し、日本の再生医療が国際的な優位性を保つために重要で、国の支援も継続して必要だと強調した。

 ストック事業は拒絶反応を起こしにくいタイプのドナーから作ったiPS細胞を備蓄し、再生医療の臨床研究や治験に利用する。13年から京大が国の予算で運営してきたが、公益法人への移管が今年8月に決まった。財団は細胞の製造と販売に注力し、収益によって持続的な運営を目指す。

 山中教授は公益法人の名称を「京大iPS細胞研究財団」と紹介。政府の一部に財団移管後は国の支援が不要、との考えが出ていることについて「例えば、腎臓の組織をiPS細胞から作る研究を進めている。人工透析などにかかる医療費の大幅な削減に貢献できる」と説明し、「大学では難しい収益活動を行うが、公益性の高さに変わりはない」と国の財政支援の必要性を訴えた。

 山中教授は研究所運営の寄付を呼びかけるためマラソンに出場しており、今年はすでに5回完走したという。「寄付が増えれば国の交付金は不要という人がいるが、それではがんばって寄付を集める人はいなくなる」と指摘した。