三者協議の後、笑顔で会見に臨む西山さん(12日午前11時、大津市梅林1丁目・県教育会館)

三者協議の後、笑顔で会見に臨む西山さん(12日午前11時、大津市梅林1丁目・県教育会館)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で服役後、再審開始が確定した元看護助手西山美香さん(39)の再審公判に向けた第6回三者協議が12日、大津地裁で開かれた。「たん詰まりで死亡した可能性がある」という医師の所見が書かれた西山さんに有利な捜査報告書について、滋賀県警が今年7月まで未送致だったことが分かった。弁護団が協議後に会見して明らかにし、「県警が意図的に証拠隠しをしたと疑わざるを得ない」と批判した。


 また、再審公判の初公判は来年2月上旬で、西山さんの被告人質問などを行って即日結審し、同3月末に判決が言い渡される方向で調整している、という。
 弁護団の説明では、10月末に県警が大津地検に送致していなかった証拠58点が開示された。この中に、県警が04年3月に作成した「患者はたん詰まりにより死亡した可能性がある」との医師の所見が書かれた捜査報告書や、同7月に西山さんが自筆で記した、故意に人工呼吸器を外していない旨の供述書などが確認された。開示分も含めた県警の未送致資料は117点あったといい、地検は「もう県警に捜査資料は残っていない」と説明した、という。
 井戸謙一弁護団長は「たん詰まりの可能性を指摘した資料は、事件当初の検察の起訴判断にかかわる重要な情報で、県警が抱えていたのは大問題」とし、西山さんは「やっぱり都合の悪いものは出さないのだな。もっとあるのでは」と憤った。
 この日の協議で大津地検は、再審公判の主張について「弁護側には反論しないが、確定審の立証を維持する」との意向を明らかにしたという。
 検察側は再審公判で事実上、有罪立証を断念する方針を今年10月に示しており、西山さんの無罪は確定的になっている。