京セラが25日発表した2019年3月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前期比30・4%増の1032億円となり、2年ぶりに1千億円台に回復した。米中貿易摩擦で部品需要が下期に失速したが、想定より影響は小さく、本業のもうけを示す営業損益の段階から増益に。コスト削減や拠点集約などの構造改革も寄与した。

 売上高は3・0%増の1兆6237億円と過去最高を更新した。企業買収による押し上げに加え、上期に好調だった産業機械向けファインセラミック部品や車載部品が堅調に推移。コンデンサーや複合機も伸び、苦戦する太陽光発電パネルなどの落ち込みを補った。

 太陽光発電パネル材料の購入契約の見直しに伴う和解費用523億円などが利益を押し下げる一方、原価低減と一部の拠点集約で利益率を改善。税引前利益は8・2%増の1406億円だった。

 米国の税金負担が減少し、最終利益は大きく伸びた。年配当は創立60周年の記念配を上乗せし、1株140円(前期は1株120円)に増配する方針。

 20年3月期は、スマートフォン市場の低迷を見込む一方、第5世代(5G)移動通信システムの商用化をにらんだ基地局向け部品の引き合いのほか、車載部品も先進運転支援システム(ADAS)関連で好調を維持するとみて、増収を予想する。

 関西電力と今秋始める新たな電力販売事業などでソーラー事業は黒字転換を見込み、利益は大幅改善する見通し。年配当は1株160円(同140円)に引き上げる。

 大阪市で記者会見した谷本秀夫社長は「本年度はスマホ部品の伸びが見込めず、5G向けの需要で補う。日欧でADAS関連の引き合いも強い」と述べた。