ユルリ、モユルリ両島周辺を漂うエトピリカ=2020年、北海道根室市(環境省提供)

 ユルリ、モユルリ両島周辺を漂うエトピリカ=2020年、北海道根室市(環境省提供)

 ロシアが実効支配する北方領土を除くと国内で唯一、絶滅危惧種の海鳥エトピリカが繁殖する北海道根室市の無人島ユルリとモユルリ付近で、今年の繁殖が確認されなかったことが環境省への取材で分かった。気候変動で餌となる魚が減るなど生息環境の悪化が影響したと推測される。関係者は「個体数維持は危機的状況」と頭を抱える。

 エトピリカはアイヌ語で「くちばしが美しい」という意味で、オレンジ色の大きなくちばしで知られる。環境省によると、生息域は北太平洋沿岸に広く分布し、現在は両島周辺が繁殖の南限。

 国内では1970年代から生息数が激減し始め、現在は数組のつがいが確認されるのみ。