昭和天皇のお召し列車を牽引していた蒸気機関車「C51形239号」(京都市下京区・京都鉄道博物館)

昭和天皇のお召し列車を牽引していた蒸気機関車「C51形239号」(京都市下京区・京都鉄道博物館)

 戦前から戦後に昭和天皇が乗ったお召し列車を牽(けん)引していた「お召し専用」の蒸気機関車「C51形239号」が、菊の御紋や鳳凰(ほうおう)の装飾を付けた特別仕様となり、京都市下京区の京都鉄道博物館で特別公開されている。令和への改元が迫る中、年配の鉄道ファンが大勢訪れ、遠くなる昭和への感慨にふけっている。

 C51形は、「蒸気機関車の中の蒸気機関車」と呼ばれ、戦前に289両が製造された。車両ごとに乗り心地などに差異がある中、239号は特に性能が良かったため、「お召し専用」の指定を受けた。

 デビューは、1928(昭和3)年に京都で行われた昭和天皇の即位式で、東京-沼津間を引っ張った。車両の左右には金色の手すりが取り付けられ、停車駅でも緊急の整備ができるようになっていた。53(同28)年に引退するまでの牽(けん)引回数は104回に達し、歴代最多を誇る。

 北陸や信越地方などで通常の機関車として活躍した後、梅小路機関区に保存のために移された。機関区に置かれたままだったが、改元に合わせ、黒の塗装を塗り直すなど再整備した。

 藤谷哲男副館長は「敗戦を挟んだ激動の時代を昭和天皇とともに駆けた。黒光りした車体から、昭和の時代を振り返ってほしい」と話す。