ウトロ地区の放火事件はヘイトクライムの可能性が高いと訴える市民団体メンバーら(京都府庁)

ウトロ地区の放火事件はヘイトクライムの可能性が高いと訴える市民団体メンバーら(京都府庁)

 今年8月、京都府宇治市伊勢田町ウトロ地区の空き家に放火したとして22歳の男が逮捕された事件を受け、京都府内の市民団体などが15日、京都府庁で会見し、事件は差別的動機で特定の民族・集団を狙った犯罪「ヘイトクライム」の可能性があるとして、同種犯罪の根絶を目指す声明文を発表した。

 男は今月6日、太平洋戦争中に京都飛行場の建設に従事した朝鮮人労働者の子孫らが多く暮らす同地区の空き家に放火し、民家や倉庫など計7棟を焼いた疑いで京都府警宇治署に逮捕された。7月にも名古屋市の在日本大韓民国民団施設に火を付けたとして、器物損壊罪で起訴されていた。

 「京都府・市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会」(京都市)は、男が在日コリアンに関係が深い施設と地域を標的にしたことから、ヘイトクライムの可能性が高いと判断。声明文で、動機を解明して裁判で明らかにすることを促し、ネット上の差別煽動書き込みへの対応などを警察や行政に求めた。

 一般財団法人「ウトロ民間基金財団」(宇治市)も声明文を発表。事件はヘイトクライムの可能性が高いと指摘し、「住民の生命と財産をおびやかす、極めて深刻な問題」として政府や自治体に差別を許さない姿勢を明確にすることなどを求めた。

 ヘイトクライムは、差別的動機に基づく、人種や民族、障害者、ジェンダー、宗教など特定の属性を持つ集団を標的とした犯罪とされる。