人件費の返還や日報公開について説明する豊田恵美京都市議(右)と、2時間後に同じ場所で記者会見する豊田貴志氏=16日午後、京都市中京区・市役所

人件費の返還や日報公開について説明する豊田恵美京都市議(右)と、2時間後に同じ場所で記者会見する豊田貴志氏=16日午後、京都市中京区・市役所

 京都市議会の豊田恵美議員(41)=左京区選出=が事務所職員だった夫の勤務実態がないにもかかわらず、給与を政務活動費に計上した可能性がある問題で、豊田議員は16日、中京区の市役所で記者会見し、改めて勤務実態はあったと主張した上で、19年度に人件費に充てた約80万円を返還すると明らかにした。一方、夫の貴志氏(46)も初めて会見を開き、「勤務実態はなかった」と従来通り訴えた。双方の主張は平行線をたどっている。

 この日午後2時から会見した豊田議員は、19年度分の返還理由について「(夫が)働いていなかったと主張しているのは20年3~11月だが、その他の期間についても同じ主張をすることも予想され、雇用者の管理、監督責任として自主的に返還することを決めた」と述べた。返還額は既に表明している20年度分の約137万円と合わせ計約218万円で、今後手続きを進めるという。

 また「さらなる議論の延長を回避したい」として公開を拒否していた「職員従事状況記録簿」(日報)を一転して公開。方針を変えたことについて「しっかり調査、検証をする決意の表れ」と述べた。今後、勤務実態を検証し、結果がまとまり次第、公表する意向を示した。

 一方、京都府議や京都市議を務めた貴志氏は、2時間後の午後4時から豊田議員と同じ場所で記者会見し、勤務実態はなかったと改めて主張。証拠として、20年3月の交通事故後に通院した左京区の整形外科の受診日時を提示。事務所の電気代の明細も明らかにし、「最低限しか電気を使用していない。稼働していない実態が分かると思う」と述べた。

 豊田議員が行うとしている調査については「個人的に行うのではなく、議会を挙げて第三者として行うべきだ」と訴えた。妻である豊田議員に向けた思いとして「議員として(続けるのは)もう無理だと思う。潔く出処進退を定めてほしい」と語った。

 2人は離婚に向けて協議中。

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政務活動費 地方自治法や自治体の条例に基づき、地方議員の活動に必要な経費として議員や議会の会派に交付される。使い道の対象は調査研究や広報広聴、事務所の運営費などで選挙活動には充てられない。京都市議会では各会派に所属議員1人につき月14万円、議員個人には月40万円が支給されている。