サコ学長(左)にプロジェクトについて説明する松尾さん(右)=京都市左京区・京都精華大

サコ学長(左)にプロジェクトについて説明する松尾さん(右)=京都市左京区・京都精華大

図書館建設資金などを募るクラウドファンディングのサイト

図書館建設資金などを募るクラウドファンディングのサイト

サコ学長と意気投合した松尾さん(左)と「センスオブワンダー」スタッフの岡田さん(右)=京都市左京区・京都精華大

サコ学長と意気投合した松尾さん(左)と「センスオブワンダー」スタッフの岡田さん(右)=京都市左京区・京都精華大

 アフリカ大陸の北東に位置するソマリア。度重なる紛争でテロ組織に入る若者が多く、「世界一危険」な地域のひとつともされるが、その国の刑務所に図書館を造り、本を届けるプロジェクトが進んでいる。「館長」に就任するのは、京都在住でオンライン書店を始めた元フジテレビアナウンサーの松尾翠さんだ。多くの人に活動を知ってもらおうと、アフリカのマリ出身で京都精華大の学長を務めるウスビサコさんとも面会し、プロジェクトについて意見交換した。

 ソマリアは内戦で長らく無政府状態が続き、飢饉なども重なって多くの難民が生まれている。若者は「生活を変える」ため、勧誘されたテロ組織に入り、前線に送り込まれる。刑務所にいる若者は18歳前後の元テロ組織戦闘員が多く、十分な教育の機会は与えられていないという。

 本好きで、自身が選んだ本を販売したり朗読したりする「センスオブワンダー」を京都で主宰する松尾さんは、知人を通じて同国の現状を知り「刑務所の若者たちに新たな人生を踏み出すチャンスを」というプロジェクトに共感。クラウドファンディング(CF)で300万円の資金を集めるために奔走し、今月21日には京都市左京区の京都精華大を訪れ、サコ学長にも面会をお願いした。

 松尾さんは、サコ学長に英語学習やビジネス関連など、現地のニーズに合った本を届けることを熱く語った。サコ学長も京都にいるソマリア人留学生などの現状について説明し、図書館建設について「重要な取り組み。相互扶助の関係をどうつくるかが大事だ」と応え、母国マリで移動図書館を展開するアイデアを持っていることを披露した。

 松尾さんは「本は生きる上で必ず力になってくれる」とし、プロジェクトを成功させることで「ソマリアの青年たちにも、『選択する自由』があると感じられる心を開くきっかけをつくりたい」と語る。

 CFは専用サイト「キャンプファイヤー」で実施。「ソマリアの刑務所に図書館」などで検索できる。期間は来年1月10日までで、集まった資金は図書館建設費や本の購入費などに充てられる。松尾さんの朗読会付きオンラインイベントなどのリターンがある。