坂本京都先端科学大名誉教授が出版した「京都発 地域経済の再考」(亀岡市安町)

坂本京都先端科学大名誉教授が出版した「京都発 地域経済の再考」(亀岡市安町)

 さまざまな統計データを使って府や府内15市の経済、地域の状況を京都府亀岡市在住の坂本信雄・京都先端科学大名誉教授(78)が分析、考察した「京都発 地域経済の再考」(八千代出版)が刊行された。にぎわいや生活基盤などを指標化して自治体間比較も試みており、「京都は歴史や文化などイメージで語られることが多いが、データからは違った面が見えてくる」と語る。

 坂本さんは秋田県出身で、旧経済企画庁経済研究所主任研究官や京都学園大(現京都先端科学大)経営学部教授を務めた。京都は歴史的、文化的な発信で全国的に評価が高いが、経済の面から地域課題を考えようと執筆した。

 同書では人口や観光、総生産で京都市が他市を圧倒している府の特徴を見た後、経済構造や人口減少の問題、観光戦略などを国勢調査や商工会議所のアンケートなどのデータで比較、課題を挙げる。

 自治体間比較では、にぎわい▽安全・安心▽生活基盤▽健康福祉▽社会教育-の5分野を設定。観光入込客数や消防団員数など各分野で五つの統計データを選んで指標化すると、宮津や京丹後、長岡京、福知山が各分野でトップとなった。ただ5分野の指標のばらつきは小さい方がまちの在り方としては望ましく、小さいのは宇治、長岡京、舞鶴、逆に大きいのは京丹後、宮津、京都の順になった。

 坂本さんは「府内15市のまちづくりの『相対化』を通じた分析を心掛けた。データに基づいて実態を見て、まちづくりを考えてほしい」と提案する。四六判148ページ。1210円。