積雪が残る昨年12月初旬。京都府京丹後市山間部の湿地に積もった落ち葉をかき分けると、青々としたワサビの小さな葉と茎が姿をのぞかせ、いとおしむような手つきで根を掘り当てた。日本海を望む雑木林ではアサツキと呼ばれる細長いネギを見つけた。素人には周囲の雑草と見分けがつかない。「少しだけ、いただきますよ」。だれに言うともなく声を掛け、根ごと袋に収めた。

 「夕日ケ浦」の名で知られる観光地・同市網野町浜詰の老舗旅館