2020年1月に公開されたさい銭開き(京都市伏見区・伏見稲荷大社)

2020年1月に公開されたさい銭開き(京都市伏見区・伏見稲荷大社)

 「商売繁盛の神様」として知られ、全国屈指の初詣参拝者が訪れる伏見稲荷大社(京都市伏見区)が、新春恒例の「さい銭開き」の公開を2022年は行わない方針を決めた。新型コロナウイルスの感染状況が見通せないためで、非公開は2年連続となる。毎年、年初から景気の良い話題を提供し、さい銭から世相の変化もうかがわせてきたが、関係者のみで行うという。

 さい銭開きは、正月三が日に本殿や摂・末社のさい銭箱に入れられたお金を数え始める行事。例年1月4日に白衣姿の銀行員らが大量のさい銭を一斉に数える姿が新春の風物詩ともなっていた。

 だが、新型コロナの感染者が増加傾向にあった21年は、さい銭を数える「賽(さい)銭室」に窓がないため「3密」を避けられないと判断し、非公開で実施した。22年も同じ対応をすることにした。

 同大社のさい銭開きは、消費税導入の翌年にあたる1990年には1円玉が目立ったり、不況になると1万円札が減ったりと、その時々の世相を反映してきた。バブル期の80年代には51万5千円が入った封筒があったり、韓流ブームの2005年には韓国の紙幣が増えたりしたこともあった。

 近年では、外国人観光客の増加に伴って米国のドルや中国の人民元が増えていたという。中には縁起を担いで「1129(いいふく)」や「11104(いいとし)」と語呂合わせの数字を書いた小切手が見られるなど、新年に向けた参拝者の願いを感じさせる機会にもなっていた。

 伏見稲荷大社は「賽銭室は狭く、換気もできない。こういったご時世なので、感染防止のためご理解をいただきたい」と話していた。