観客が取り囲んだ舞台で演じる団員たち(京都府宇治市伊勢田町)

観客が取り囲んだ舞台で演じる団員たち(京都府宇治市伊勢田町)

 戦時中、京都飛行場の建設に携わった朝鮮人の子孫が多く暮らす京都府宇治市伊勢田町ウトロをテーマにした芝居が28日、地区の広場で上演された。住民ら舞台を囲んだ観客も即興で物語に加わり、笑いあり涙ありのマダン(広場)劇を楽しんだ。

 大阪を拠点に活動する「劇団タルオルム」が手掛けた、ある家族をモデルにした新作「ウトロ」。小学校での行事やいじめ、夢を追って渡米する際の国籍変更など一家の悲喜こもごもを役者4人が演じた。土地の立ち退き問題を含め、ウトロの戦後史も織り交ぜた。

 観客も役者の呼び掛けで舞台に入ったり、朝鮮民謡を一緒に歌ったりと盛り上がりを見せた。ウトロに来たのは中学以来という京都大4年の男子学生(23)=城陽市枇杷庄=は「今のウトロの状況に興味があり訪れた。劇で初めて知ることも多く面白かった。(舞台にも入り)少し恥ずかしかったけど、ここにいる皆さんとの距離も少し近づいたかな」と笑顔を見せた。

 ウトロ町内会などが主催。ウトロに関する映画上映やフィールドワークもあり、計約150人が参加した。劇団は今秋にソウルで、国内でも要望に応じて「ウトロ」を上演する。