学生たちが作成したポスター

学生たちが作成したポスター

 京都女子大の学生たちが阪急電鉄と協力し、被害者に寄り添った新しい痴漢防止ポスターなどを完成させた。従来の啓発物にありがちだったミニスカートなどの表現を無くし、心の傷の深さを訴えた「新作」は、27日から京阪神の阪急全駅に掲示され、電車内のディスプレーにも採用された。

 昨年、短いスカートの女性被害者や「混雑する扉付近は避けましょう!」などの描写に、京女大の市川ひろみ教授(国際関係・平和研究)が違和感を抱き、授業で紹介。共感した学生5人が、京女大と地域連携協定を結ぶ阪急電鉄とともに、駅や車両内の啓発物を作ることになった。

 学生たちは、従来の啓発にありがちだった「ミニスカ姿の女性」「被害者に自衛や告発を求める」などの被害者を苦しめる表現を無くし、「痴漢犯罪がどんなに悪質なものか」を伝えることに主眼を置いた。文言も、被害者から話を聞き、心情に寄り添うことができる言葉を選んだ。

 完成したポスターは、傷ついた心をイメージした「ひびが入った赤いガラスのハート」を中心に据え、「電車に乗るのが怖くなった」「まさか自分が被害に遭うなんて」などの被害者から聞き取った言葉を添えた。そして「痴漢は深刻な性暴力です」と訴えた。

 また、痴漢被害者の心理を知ってもらうため、ポスターにQRコードを配置した。コードを読み取れば、重大なストレスで頭が真っ白になり体が動かなくなる「凍り付き症候群」や、被害を最小化するため犯人の機嫌をとるように振る舞う「従順・懐柔反応」などの解説が読める。痴漢に関する京阪神の相談窓口も紹介している。

 啓発物の作成に関わった3年高山浅黄さん(21)は「『痴漢は自衛するもの』などと言われ、嫌だけど仕方ないと思ってきた面もあった。でも今回、社会に一石を投じることができてうれしかったし、誇りに思います」と話した。