来店者と談笑する三田村さん。「本屋で働くのが夢だった」と語る(滋賀県守山市勝部1丁目・本のがんこ堂守山駅前店)

来店者と談笑する三田村さん。「本屋で働くのが夢だった」と語る(滋賀県守山市勝部1丁目・本のがんこ堂守山駅前店)

【資料写真】がんこ堂守山駅前店(2021年、滋賀県守山市)

【資料写真】がんこ堂守山駅前店(2021年、滋賀県守山市)

 元滋賀県守山市立図書館長の三田村悦子さん(65)=福井市=が昨年秋から、「本のがんこ堂守山駅前店」(守山市勝部1丁目)の書店員として働いている。かねて憧れがあり、無報酬で勤務。「本に囲まれている空間が好き。特設コーナーもつくりたい」と意気込んでいる。

 三田村さんは越前市立図書館で長く司書を務め、2009年に守山市立図書館の館長に就任、19年3月まで務めた。その後は1年間、司書として働き、故郷の福井に戻った。

 図書館にがんこ堂が運営するカフェがあったことから田中武社長と親交があり、退職後も出版社のイベントなどでしばしば来訪。その際に「本屋で働くのが夢。無償でいいので働かせてほしい」と打診した。田中社長は「面白い。思いをくみたい」と福井からの往復の交通費のみ支給し、これまで定休日としていた日曜に月2回ほど入ってもらうことにした。

 駅前の小規模な店のため本の発注からレジ打ち、接客まで全て一人でこなす。「お金の計算や締め作業など覚えなければいけないことが多くて大変」と苦笑するが、館長時代にユニークな企画を次々と生み出してきた三田村さんを慕って店を訪れる人も多いという。田中社長も「本のコンサルタントなので心強い。自由な店づくりをしてほしい」と信頼を置く。

 三田村さんは「お客さんの好みを聞いて、本を薦められたら。大切な人に贈りたい本を紹介するコーナーもつくりたい」と夢を描く。