新緑の庭園で優雅な王朝絵巻を繰り広げる歌人たち(京都市伏見区・城南宮)

新緑の庭園で優雅な王朝絵巻を繰り広げる歌人たち(京都市伏見区・城南宮)

 平安貴族の歌遊びを今に伝える「曲水の宴」が29日、京都市伏見区の城南宮で催された。新元号・令和の典拠となった「万葉集」巻五から選ばれた歌題に基づき、歌人たちは酒杯が小川を流れる間に和歌を詠み上げ、参拝者が優雅な王朝絵巻を楽しんだ。

 曲水の宴は古代中国に始まり、日本では奈良時代から平安中期に宮中で行われた。城南宮は約50年前から毎年春と秋に再現している。今回は平成から令和に時代が移るのを受け、新元号の典拠である「万葉集」巻五にある言葉にちなんだ「嶺雲(みねのくも)」を歌題に選んだ。

 新緑の庭園で、狩衣(かりぎぬ)姿の公卿や小袿(こうちぎ)姿の女官に扮した歌人7人は緩やかに曲がった小川のほとりに座り、その場で出された歌題に合わせた和歌を短冊にしたため、上流からゆっくりと流れてきた酒杯を引き寄せて飲み干した。

 神職が「大峯の 奥駆け道の かけはしに 谷より雲の 湧き上がりくる」などと歌人の和歌を朗詠し、参拝者は新たな時代に思いをはせながら聞き入っていた。