「観光客がいない。ネコしかいない」。2020年4月、京都市西京区の阪急松尾大社駅近く。客を待ち続ける個人タクシー運転手、日高順子さん(48)=京都府向日市=は危機感を覚えた。売り上げがほぼゼロの日が続き、燃料費がそのまま赤字になる。

 前年まではインバウンド効果もあり、京都市内は観光客であふれていた。嵐山や嵯峨野を巡って収益を上げてきたが、仕事にならない。感染の恐怖もあり、住んでいる向日市に拠点を戻した。「どうしたら良いか分からなかった。あの年の記憶はほとんどない」

 今の自分に何ができるのか-。もんもんと悩んだ末…