京都市が駐車場として活用する事業者を募った土地。かつて琵琶湖疏水を行き交う船の船着き場だった(2021年12月20日、大津市浜大津4丁目)

京都市が駐車場として活用する事業者を募った土地。かつて琵琶湖疏水を行き交う船の船着き場だった(2021年12月20日、大津市浜大津4丁目)

昭和初期の大津市浜大津の築地の様子を撮影した写真。奥には売店のものと思われる看板が見える(京都市上下水道局疏水事務所提供)

昭和初期の大津市浜大津の築地の様子を撮影した写真。奥には売店のものと思われる看板が見える(京都市上下水道局疏水事務所提供)

 京都市が大津市内に所有している土地を民間事業者に貸し出す。かつて琵琶湖疏水の船着き場があった土地で、近年は空き地となっていた。京都市は財政難に苦しんでおり「少しでも足しになれば」と、事業者に駐車場として活用してもらう考えだ。

 1890(明治23)年完成の琵琶湖疏水は利水だけでなく、舟運も目的の一つだった。市は疏水の流入口に当たる大津市浜大津の琵琶湖を埋め立てて築地を設け、疏水を行き交う船の発着場とした。船は貨物船として米や炭、木材などを運ぶだけでなく、旅客船としても運航され、京都で内国勧業博覧会が開かれた1895年の乗船客は約30万人にも上った。

 築地には、個人が市有地を借り受ける形で積み荷の倉庫や船員向けの売店、荷さばき場などができた。だが自動車や鉄道の発達に伴い、1951年に舟運事業が途絶えてからはこれらの倉庫や店なども閉業を余儀なくされた。その後、店などを営んでいた人たちが市から土地を借りたまま、民家や借家などに改造して使うようになった。

 しかし、舟運事業が終わって70年たち、土地を借りていた人が亡くなったり引っ越したりして、土地は徐々に市に返還されるようになった。10年以上空き地の土地もある中、「このままにしておくになったのはもったいない」と貸し出すことを決めた。

 面積は3カ所で計約530平方メートルあり、駐車場としての活用を希望する事業者に限定して昨年12月28日まで応募を受け付けた。最低使用料は年約97万円で、最も高い使用料を提示した事業者を選定するという。市上下水道局疏水事務所は「長い歴史の中で土地の役割は変遷してきているが、時代に合った方法で活用していきたい」としている。