「この家繁盛せ!」。毎年11月、滋賀県野洲市吉川には子どもたちの元気な声が響く。同地には、わらを束ねた棒で地面をたたく行事「亥の子」が伝わる。

 2020年夏、新型コロナウイルスの感染拡大で行事の実施を危ぶむ声が地元の子ども会で上がった。感染を広げるリスクがある。それでも当時の会長だった今井佳奈さん(36)は「子どもの喜ぶ顔が見たい」と開催できる方法を探った。

 行事は地域の全戸を回るのが通例だ。だが、この年は家々に事前にアンケートし、訪問先を希望する家だけにして時間短縮を図った。行事の形は変えざるを得なかった。それでも無事開催することができ、