暮らしを取り巻く「異変」が相次いでいる。

 先月のクリスマスに、全国のマクドナルド店がフライドポテト販売を一部休止した。北米の物流網の混乱で冷凍加工品の輸入が滞ったためだ。

 食用油、小麦製品なども国際的なバイオ燃料や飼料用の需要増から値上げが続いている。

 3年目になる新型コロナウイルス禍とも相まった形で、世界の動きが日本の経済や生活にさまざまに影響しそうだ。

 年明けの1日からは、日中韓や東南アジア諸国など15カ国が加盟し、自由貿易を広げる地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が発効した。

 日本にとって貿易額1、3位の中国、韓国と結ぶ初の経済連携協定で、将来的に輸出工業品の92%が関税ゼロとなる。国内総生産(GDP)の押し上げ効果は約2・7%と、18年発効の環太平洋連携協定(TPP)を上回ると見込まれている。

 アジア太平洋の巨大経済圏で成長力の取り込みを狙う日本だが、米中対立が影を落とす。

 両協定と距離を置く米国は、技術流出の防止や半導体など戦略物資確保を掲げ、同盟国と対中包囲網に動いている。日本も「経済安全保障」強化で応じ、日本企業の生産・供給網の展開に影響する可能性もある。

 国内景気の行方は、楽観論と慎重な見方が入り交じる。

 新年の実質GDPの成長率は3%台となるとの予測が多い。ワクチン普及でコロナの影響が収束に向かえば、財政支出が過去最大の55兆7千億円に上る政府の経済対策が後押しするとの見通しからだ。コロナ前のGDP水準(約546兆円)の早期回復が視野に入ってくる。

 ただ、新変異株「オミクロン株」の感染拡大や原油価格の高止まり、半導体不足や供給網の混乱が続けば、景気が下振れする懸念が拭えない。

 米英などが経済回復によるインフレ抑制へ利上げに動くのに対し、景気下支えのため大規模緩和を続ける日本との金融政策の違いから円安が進みやすい。輸入品の値上がりなど家計や企業活動の重荷になりかねない。

 政府の巨額経済対策も、子どもへの10万円相当給付など一時的な景気刺激策が柱のため、中長期を見据えた経済基盤の強化という課題を抱えたままだ。

 岸田文雄首相は「新しい資本主義」を掲げ、コロナ禍で深刻化した格差・貧困などへの対応を強調するが、目指す「成長と分配の好循環」はアベノミクスとの違いが見えにくい。

 これまで経済的恩恵が大企業や富裕層に偏り、賃金や消費へ回っていないことが、欧米に比べ経済回復が鈍い要因なのは明らかだ。

 保育士、看護師らの待遇改善など財政支出策だけでなく、膨大にため込まれて眠る民間資金を、賃上げをはじめ教育訓練による人への投資や新事業・技術に振り向ける具体策が問われよう。

 EV(電気自動車)シフトをはじめ脱炭素化の加速、人権問題や情報保護など、持続可能な社会に向けた世界的潮流への対応力も試される。