京都御苑で生まれ、巣立ちの時期を迎えたアオバズクの雛。カメラマンの存在が命の脅威となっている(京都市上京区・京都御苑)=西台さん提供

京都御苑で生まれ、巣立ちの時期を迎えたアオバズクの雛。カメラマンの存在が命の脅威となっている(京都市上京区・京都御苑)=西台さん提供

 京都御苑(京都市上京区)で生まれて巣立ちの時期を迎えたアオバズクの雛(ひな)が、地面に落下したり、カラスに場所を知られて襲われたりする事例が後を絶たない。主な原因は、撮影を狙って集まる多くのカメラマン。専門家は「巣立ったばかりの雛にはカメラを向けず、静かに見守ってほしい」と呼び掛ける。

 アオバズクはフクロウ科の鳥類で、府の準絶滅危惧種に指定されている。近年は神社の境内にマンションが建つなど、営巣に適した大木のある場所が京都市内で減っているといい、御苑の「京都自然観察学習会」に所属する西台律子さん(73)=左京区=は「御苑はアオバズクの駆け込み寺になっている」と指摘する。

 御苑内でアオバズクが営巣する木は複数ある。最初に巣を作った宗像神社近くのクスノキだけでも2000~20年の20年間に57羽のひなが巣立つなど、子育てシーズンの初夏には小さな雛の姿が御苑の風物詩となっている。

 一方、存在が知られるにつれてカメラマンも増加。20年は餌不足もあって雛が巣穴から盛んに顔を出すようになり、会員制交流サイト(SNS)で話題になった。その結果、愛らしい姿をひと目見ようと観察者が殺到、50台以上のカメラの立ち並ぶ様子でカラスが雛の存在を察知し、2羽が襲われたという。また、21年は発育不良のまま巣立ちの時期を迎えた雛がカメラに驚いて地面に落下。自力で樹上にはい上がることができずに命を落とした。

 御苑では、営巣木の近くにロープを張ったり、「みまもりたい」と呼ばれるボランティアが定期的に巡回したりして雛に近づきすぎるカメラマンに注意を促している。西台さんは「みまもりたいの人がいるから被害が少なくて済んでいるとも言える。せっかく巣立った雛が人為的なことで死んだりしないよう、そっと見守るだけにしてほしい」と話している。

 西台さんは、秋に発刊された「京都御苑自然現況調査報告書第8集」で事例の一部を報告した。2013~20年のアオバズクの繁殖記録なども掲載している。京都御苑中立売休憩所売店で発売中。千円。